質の高い睡眠をとるコツとは?

睡眠の効果

睡眠の最大の効果としては、脳と身体の休養があります。

この他にも、成長ホルモンの分泌や、新陳代謝の促進、免疫力の向上、記憶の固定などの効果があります。

睡眠不足になると上記と逆に、疲れが取れず、太りやすくなり、感染症にかかりやすくなり、もの覚えが悪くなります。

 

必要な睡眠時間は年齢によって違う

必要な睡眠時間は年齢によって異なります。

15歳を過ぎると8時間以上眠れなくなるのが一般的です。

必要な睡眠時間の平均は、25歳で7時間、45歳で6.5時間と加齢に伴い短くなり、65歳を過ぎると6時間になります。

 

体内時計は25時間周期

人間の体内時計は25時間周期であるため、これをリセットして24時間周期に合わせる必要があります。

この方法として、朝日光を浴びること、朝食を食べること、運動すること、人と接触すること、環境のメリハリをつけること(昼は明るく暖かく、夜は暗く)、の5つが挙げられます。

ご老人が朝から行うゲートボールやグランドゴルフは、5つ全てを満たし睡眠にとてもいい効果があります。

デイサービスも同様で、睡眠の質を上げます。

 

昼寝の効果

眠くなる時間のピークは午前2時から4時ですが、2番目に眠くなるピークが午後2時から4時です。

この午後の眠気を軽くするのに昼食後のお昼寝が有効です。

適切な昼寝の時間も年齢によって異なり、20代は10分、30-40代は10から20分。65歳を過ぎたら30分の昼寝が効果的です。これ以上長くなると、夜の睡眠に悪影響となるので注意が必要です。

昼寝を短くするコツとして、コーヒーなどカフェインをとって昼寝をすると、昼寝開始後にカフェインの覚醒作用が効いてきて短時間ですっきり目が覚めます。

 

質の高い睡眠をとるには

質の高い睡眠をとるために、まず必要なことは朝同じ時間に起きることです。朝起きて16時間後に眠くなります。早く起きれば早く寝られるのです。早く寝れば早く起きられるのではありません。

また、寝る前にコーヒーなどのカフェインは避けるようにします。

寝るためにお酒を飲むという方もいらっしゃいますが、これはお勧めしません。アルコールは、眠くなる作用がありますが、睡眠を浅くして結果的に睡眠の質を下げます。

床にいる時間が長くなると睡眠の質が下がることもわかっています。朝起きたら床を離れて日光を浴びる。夜なかなか寝付けない場合には一旦床を離れることも重要です。

 

質の高い睡眠をとることで、生活習慣病を減らし、うつ病などの精神疾患のリスクも減らし、認知症にもなりにくくなることがわかっています。

睡眠でお悩みの方は、上記のことに気をつけて生活習慣を見直されてみてはいかがでしょうか。

 

 

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内田 直樹

院長(精神科医)たろうクリニック
福岡大学病院精神神経科医局長、外来医長を経て2015年4月より現職。認知症の診断や対応、介護家族のケアなど在宅医療において精神科医が果たす役割が大きいことを実感。また、多くの看取りを経験する中で、人生の最終段階について事前に話し合う重要性を感じている。

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